社会人がインフルエンザにかかった場合の出勤停止期間とは？

大人がインフルエンザにかかってしまったら？

学校や幼稚園のような教育機関では、インフルエンザなどの感染症に関する出席停止期間が法律で定められていますが、
一方で会社に勤める大人に関しては、インフルエンザに罹患した場合の出勤停止について法的な規定は存在しません。

また、インフルエンザは新型と季節性の2つに大別されます。
新型インフルエンザは通常の季節性インフルエンザと異なり、動物から人へ感染が拡大したり、新たなウイルスが出現したりすることが特徴です。

会社では出勤停止にするべき？

インフルエンザは非常に感染力の強い感染症であり、無理に出勤することは感染拡大のリスクを高めます。

法律では大人がインフルエンザにかかった場合の出勤停止について具体的に規定されているわけではありません。
ですが会社は労働契約に基づき、従業員の安全と健康に配慮する義務を負っています。
したがって、インフルエンザにかかった従業員が出勤することによる病状悪化のリスクを防ぐだけでなく、感染の拡大を防止するために出勤停止を規定することが多いです。

会社の出勤停止期間は？

学校保健安全法においては、インフルエンザの場合、発熱後5日経過し、かつ解熱後2日経過するまでが出席停止期間とされています。
この期間を多くの会社も出勤停止の目安として採用しています。
ただし、会社によっては独自のルールや就業規則が存在するため、従業員は所属する会社の規定を確認することが重要です。

インフルエンザの出勤停止による保証はあるの？

インフルエンザに感染すると、数日から一週間程度の期間、仕事を休まざるを得ないことがあります。
この際、有給休暇を取得できずに欠勤扱いになると、休んだ期間の賃金が給与から差し引かれ、収入面でダメージを受けることがあります。

しかし、インフルエンザによる出勤停止の場合、いくつかの制度や手当を活用することができることがあります。
これにより、収入面での損失を軽減できる場合もあるので、以下でそれらをご紹介します。

◆傷病手当金
傷病手当金制度は、健康保険に加入している被保険者本人やその家族の生活を保障するために設けられた制度です。
被保険者本人が病気やケガなどで会社を欠勤する際に、会社から受けられる報酬が不十分な場合に適用され、健康保険から標準報酬日額の3分の2が支給されます。
傷病手当金は、大病や大ケガだけでなく、一週間ほどで回復が見込まれるインフルエンザなどの短期の疾患にも利用できる制度です。

ただし以下の条件を満たす場合により利用できる制度なので、注意が必要です。

・業務以外での事由による病気やケガで連続する3日間を含む4日以上の期間であること
・仕事に就くことができない期間のみで、休みの間は給料の支払いがないこと

◆休業手当
休業手当は、通常は会社の都合により出勤停止の指示があった場合に支給されます。
したがって、インフルエンザやノロウイルスなどの一般的な感染症による休暇は、通常は休業手当の対象外です。

ただし、新型インフルエンザのような世界的大流行の可能性が高い感染症の場合、感染拡大の予防措置として会社が労働者を休業させた場合は、異なる扱いとなります。
この場合、労働基準法第26条に基づき、労働者は会社に対して、平均賃金の60％以上に相当する休業手当を請求することができる可能性があります。

インフルエンザによる出勤停止のあれこれ！

インフルエンザは広く感染する可能性がある感染症ですが、出勤停止期間についての規定は法律で明確には定められていません。
各会社は独自の規則で出勤停止期間や補償制度を設けており、季節性インフルエンザと新型インフルエンザでは扱いや受けられる補償が異なることがあります。

したがって、インフルエンザに感染し出勤停止になる場合には、所属する会社や雇用契約に関するルールを確認し、適切な手続きを取ることが重要です。
少しでも不安を減らすために、インフルエンザによる出勤停止の期間や補償制度についての情報を事前に知っておくことが役立つでしょう。